この沈黙を、わたしたちはもう埋められない気がした。

あなたと向き合っているはずなのに、

どうしてこんなにも遠いんだろう。

いつもなら、

自然に交わしていたはずの言葉たちが、

今日は妙にぎこちなくて。

「最近どう?」って聞かれて、

「まあまあだよ」って笑って答えたけど。

本当は、

あなたの顔を見ただけで、

泣きそうだった。

わかってたんだ。

この空気を。

この沈黙を。

何かが、

少しずつ確実に壊れていっていることを。

でも、

まだ見ないふりをしたかった。

だって、

好きだったから。

たった一言、

「もう無理かもね」って、

どちらかが口にしてしまったら、

この関係は簡単にほどけてしまうって、

ちゃんとわかってたから。

だから、

最後までわたしたちは、

当たり障りのない話を続けた。

天気のこと、

最近見たドラマのこと、

仕事の愚痴。

本当に言いたかったことは、

ひとつも言えないまま、

時間だけが静かに流れていった。

きっと、

この日が、

わたしたちの“終わり”だったんだろうな。

そんなことを、

あなたも、きっと、

うすうす感じていたよね。

それでも、

あの最後の「またね」に、

少しだけ希望を込めてしまったわたしを、

今でもまだ、責めきれずにいる。

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