もう誰かを好きになることなんてないって、
そう思ってた。
傷つくくらいなら、ひとりの方が楽だって、
ひとりで眠る夜にも、ちゃんと慣れたつもりだった。
それなのに――
あなたの不器用な優しさに、
わたしの心は少しずつ、ほぐれていった。
何気ないLINE、
すれ違ったときの「気をつけて帰ってね」
わたしが弱ってることに気づいて、
そっと差し出してくれた缶コーヒー。
どれも、大したことじゃないのに、
心に静かに染み込んで、
気づけば、あなたの言葉を待っている自分がいた。
「また恋なんてしたら、今度こそ立ち直れないかも」
そう思っていたくせに。
でもね――
怖いのと、惹かれていくのは、
どうやら別みたい。
わたしはまだ、誰かを好きになれるんだ。
そう思わせてくれたのは、
あなたのさりげない優しさでした。
この気持ちを、
すぐに伝える勇気はまだないけど。
もしもまた恋をするなら、
こんなふうに、
少しずつでいいから、
大事に、大事に、育てていきたいなって思ったんだ。
