あなたに出会ったあの日から、
私はずっと夢を見ていたのかもしれません。
目が合うたびに心がふるえて、
名前を呼ばれるたびに時が止まった。
あなたと話すたびに、世界がほんの少しだけ優しく見えた。
触れられそうで、触れられない距離。
言葉にできそうで、どうしてもできなかった想い。
まるで水面に映る月を手ですくおうとしているような恋でした。
もしも、あの時違う選択をしていたら。
もしも、あと少しだけ勇気があったなら。
そんな”もしも”が胸の中で、静かに呼吸をしている。
でも、それでも私は、あなたを好きになったことを「間違いだった」なんて思いたくないんです。
だって、あの時間はたしかに、私の心を震わせてくれたから。
あなたを想うことで、私は私を知ることができたから。
寂しさも、切なさも、どうしようもない恋しさも、
全部あなたが教えてくれた感情でした。
もう届かないってわかっている。
もう終わりだって、ちゃんとわかってる。
だけど、それでもいいの。
この恋は、叶わなかったからこそ、美しかった。
いつか誰かを本当に愛せた時、
私はまたあなたのことを思い出すでしょう。
この恋が私の心の奥で、静かに光り続ける星であってくれるように。
夢のように始まり、夢のように終わった恋。
ありがとう。あなたに出会えて、私は少しだけ、
綺麗になれた気がします。
