忘れたいのに、忘れられない恋。

「もう忘れなきゃいけない」
何度もそう言い聞かせてきたのに、ふとした瞬間にあなたのことを思い出してしまう。

街の景色の中に、あなたとの思い出が溶け込んでいて。
コンビニの前、交差点の信号、夜風の匂い。
全部、あなたと過ごした時間を呼び起こしてくる。

忘れたいのに、忘れたくない。
忘れた方がきっと楽になれるのに、どこかでこの痛みさえも手放すのが怖くて。
だって、あなたとの思い出が消えてしまったら、私には何が残るんだろう、、、

あなたに恋をしていた時間は、私にとって本当に輝いていた。
見返りなんて求めてなかったはずなのに。
「好きでいるだけで幸せ」
なんて、口では強がっていたけど、心の奥ではどこかで期待してた。
いつか振り向いてくれるんじゃないかって。
いつか、奇跡が起きるんじゃないかって。

でも、現実はそんなに優しくなんかなくて。
あなたの視線の先には、私じゃない誰かがいて。
何も知らないふりをしながら、笑って話す自分が情けなくて、悔しくて、泣きたくなった。

時間が経てば、心も癒えるってよく言うけど。
私はまだ、そこまで辿り着けていないみたい。

だけど最近、ほんの少しだけ心が動く瞬間があって。
美味しいものを食べて笑えたり、
友達とくだらない話をして夜更かししたり、
小さな幸せをちゃんと「幸せ」って思えるようになってきた。

それは多分、私が少しずつ前を向こうとしている証拠なんだと思う。

あなたを好きだったことを、無かったことにはしない。
でも、その気持ちに縛られ続ける人生からは
そろそろ解放されたい。

いつか心のどこかで、あなたのことを『思い出』として抱きしめられる日が来るように。
私は今日も少しだけ、強くなろうと思います。

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