あなたは、こんなことを考えたことはありませんか? 「恋って、いったいどこから始まるんだろう」って。
私はある日、ふと思ったんです。
特に深い意味があったわけじゃなくて、ただなんとなく。
でも、心のどこかでは、もう自分の気持ちに気づいていたのかもしれません。
その日、友人たちとカフェで話していたときのことです。
雨の降る静かな午後で、窓の外の景色がやけにぼんやりして見えていました。
「ねえ、恋ってさ、どこから始まると思う?」
そう口にした私に、友人たちはちょっと驚いた顔をしながらも、
それぞれの“恋の境界線”を話してくれました。
「私はね、会いたいって思ったらもう恋だと思う」
「うーん、嫉妬したら…かな」
「夢に出てきたら、それはもうアウトでしょ(笑)」
みんな笑いながらも、真剣に考えてくれて。
私はそのやりとりを聞きながら、なんとなくうなずいていました。
でも心の奥で、どこかざわつくものがあったんです。
帰り道、電車の中でスマホを開いたとき、
その違和感の正体がわかりました。
あの人からのLINEを、無意識に探している自分がいたんです。
まだ既読はついていなくて、
それがどうしてこんなにも気になってしまうのか、自分でも不思議でした。
天気の話しかしていない、
深い話なんてひとつもしていない、
ただの他愛もないやりとり。
それなのに、通知が鳴るたびに名前を期待して、
来ない返信を、何度も画面を開いて確認して。
そんな自分に気づいたとき、
胸の奥で何かがふっと苦しくなったんです。
……あぁ、たぶん、もう私はこの人のことが気になってしまっているんだな、って。
「恋ってどこから?」なんて、質問しておきながら。
その人からのLINEを待ち始めた時点で、
もうきっと、気持ちは始まっていたんだと思います。
あなたにも、そんな瞬間がありませんか?
まだ“好き”ってはっきり言えるほどじゃないけど、
その人のひと言が嬉しくて、
返信が遅いと少しだけ不安になって、
ふとしたタイミングでその人のことを思い出してしまうような、
そんな相手がいたこと。
恋って、劇的な出来事で始まるわけじゃないんですよね。
日常の、なんでもない会話の中で。
その人の名前が、少しずつ自分の中で特別になっていく。
それはとても静かで、でも確実に心を占めていくものです。
だからこそ、
「待っているつもりなんてなかったのに」って、
ふと気づいてしまったときには、
もう戻れなくなっていることが多いのかもしれません。
あなたの“恋の始まり”は、どこでしたか?
きっと今も、誰かの返信をそっと待っている――そんな夜が、あるのではないでしょうか。