あなたには、「忘れられない人」がいますか?
もう何年も連絡を取っていないのに、
名前を聞いただけで胸が少し痛くなるような人。
街中でふと似た雰囲気の人を見かけて、
立ち止まってしまうような人。
今でもときどき、思い出すことがあるんです。
あのときの会話、目線、何気ない笑顔。
別に劇的な別れをしたわけじゃないけれど、
気がつけば、私の記憶の中でずっと、そこにいる。
あの人が今、どこで何をしているのかは分かりません。
もう誰かの隣にいるのかもしれないし、
それともまだ同じように、毎日を過ごしているのかもしれません。
思い出しても、もう連絡を取ることはないでしょう。
会いに行くことも、声を聞くこともない。
それなのに、心のどこかにあの人の居場所は残っているんです。
それってきっと、“忘れられない”ということなんですよね。
誰かを好きになって、
その気持ちを抱えたまま時間が経って、
気づけば「好き」ではなく「大切な記憶」に変わっていた。
でも、完全に消えてなくなるわけではなくて、
大切にしまってある感じなんです。
たとえば眠れない夜に。
ふと涙がこぼれたときに。
未来に不安になったときに。
“あの人だったら、どうしてただろう”なんて思ってしまう瞬間が、今でもあります。
それって未練なんでしょうか?
それとも、ただ心が覚えているだけなんでしょうか。
あなたには、そんなふうに、
思い出すと少し切なくて、でも愛おしい、
忘れられない誰かがいますか?
忘れたいのに、忘れたくない。
終わったのに、終わってほしくない気持ち。
たぶんそれは、
恋じゃなくなっても「想い」だけはずっと続いていくから。
忘れられない人がいることは、
少しだけ寂しいけれど、
でもきっと――
心の中に花をひとつ、咲かせ続けているということなのだと思います。